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魔法の1本針のカーディガン 2点

魔法の1本針というのは、アフガン針の半分くらいの長さの針の先に紐を通す穴があいていて、そこに紐を通して使います。棒針を使いこなすのが難しい障害者の方や、超初心者のために開発された針で、棒針を使わなくても簡単に棒針と同じ編地が編めるようにと作られた針です。
それが次第に一般の編み物ファンの間にも広まり、一般の人を対象にしたお教室なども開かれるようになりました。私もそういったお教室に通ってみました。
ところがこの針、初心者が棒針の編地を編むのには向いているのですが、ある程度棒針編みが出来る人にとっては、却って使い勝手が悪い部分もあります。
ただし使いこなしていくと、棒針編みとも鉤針編みともアフガン編みとも違った、独自の編地ができる面白みがあります。
以下にそんな魔法の1本針独特の編地を使った作品を2点ご紹介します。

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上の作品はお教室に通っている時に編んだ、ヴォーグ社の「魔法の1本針コレクションVOL.3」という本に出ていた丸ヨークのカーディガンです。
アフガン編みに鉤針編みをミックスしたような独特の編地です。
使用糸 ヴォーグのエクトリーシリーズ  モロッコ、シルクリネン
     (現在市販されているかどうかわかりません)
身幅 50cm
着丈 66cm


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こちらはオリジナルのデザインです。地糸以外は余った糸を利用して作ったので、身ごろと袖の縞の感じが微妙に違います。柄と柄の間はメリヤス編みです。すべて魔法の1本針で編む事が出来るのですが、棒針に慣れている人は、メリヤス編みの部分は棒針で編んだほうが早く編めます。
使用糸 並太くらいの太さの綿の糸、中細位のラメ糸
身幅 46cm位
着丈 50cm位


魔法の1本針の講習会では、針の使い方を習得するため、棒針の編地もすべて1本針で編まされました。
でも、1段編むごとに紐を通さなくてはならないので、棒針の出来る人には却って面倒です。
棒針で編める所は棒針で編んで、独自の編地の所だけ1本針を使ったほうが速く編めます。
# by amibito | 2007-04-09 23:06 | 魔法の1本針

春物作品に1点追加しました

前回掲載したセーター、都合で削除していましたが、再掲載します。
今回は更に1点ベストを追加しました。
上の2点のデザインはオリジナルですが、ベストは魔法の1本針教室の課題で作りました。


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使用糸 綿とウールの混紡 並太タイプ
身幅 48cm位
着丈 57cm位



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使用糸 パピーアラビス(合細位の太さの綿のテープヤーン。細いテープなのでねじれを気にせず編む事が出来ます。)
身幅 48cm位
着丈 57~58cm位



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春物作品に1点追加しました_a0094187_1912337.jpg
春物作品に1点追加しました_a0094187_19121760.jpg何年か前に魔法の1本針という技法が流行りましたが、その技法で作ったベストです。ジレのようにサイドが空いています。
円い輪の所はプラスチックのリングを編みくるんでいます。前立てというか前のヨークの部分は糸を切らないモチーフ編みをしています。残りの部分を魔法の1本針で編みました。
使用糸 シルクの並太タイプ
身幅 45~46cm位
着丈 後ろ身ごろ 40cm位
# by amibito | 2007-04-02 19:23 | 棒針編みのセーター

裾にレースをあしらった、透かし模様のセーター

前回分にアンティークレースの拡大画像1点追加しました。

今回からしばらくは自作のセーターなどニット製品を掲載していこうかと思っています。

裾にレースをあしらった、透かし模様のセーター_a0094187_18181839.jpg裾にレースをあしらった、透かし模様のセーター_a0094187_18183534.jpg









裾にレースをあしらった、透かし模様のセーター_a0094187_18192997.jpg









最初は今年作った棒針編みのセーターです。カシミア混の糸で作りました。
裾に既成のトーションレースを波型に留め付け、さらにビーズとスパンコールを付けました。

サイズは少し小さめで身幅44cm、着丈が50cm位です。
このようにニットにリボンやテープを付ける場合、既製品のニットだとミシンで縫いつけてあったりしますが、それはミシンが相当使いこなせないと無理だと思います。私は手でちくちく縫い付けました。

今回は波型に付けましたが、平らに付けると、着る時にその部分だけつっぱってしまい、このセーターのように身幅が狭いとかなり着にくい状態になり、最悪の場合着る時に糸が切れたりします。
それなので、このように波型につけるとか、デザインで工夫した方が良いと思います。
もっと身幅が広かったり、カーディガンの場合は問題ないんですが。
ビーズやスパンコールを付ける時も同様の注意が必要です。

また、テープを縦に付けたい時は、ある程度編地を伸ばした状態でゲージを取った方が良いです。
そうしないと、着ているうちに編地の部分だけが伸びてしまい、バランスが悪くなります。

ニットと生地を組み合わせる時は、ニットは伸びるけれど生地は伸びないという事を頭にいてれデザインや計算をした方が良いです。
# by amibito | 2007-03-08 18:25 | 棒針編みのセーター

その他のレース作品

前回でレースのご紹介はすべて終了しました。今回は前回までに掲載出来なかった自作のレース作品をお見せしたいと思います。

その他のレース作品_a0094187_20232696.jpg
その他のレース作品_a0094187_2023425.jpg


上の2枚
タッチングレースのドイリー
大きさ 25cm×25cm
使用糸 40番レース糸  右は拡大図です。

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お花の部分にビーズを編み込んであるビーズタッチングの技法で作ったコースター
大きさ 直径10cm程
使用糸 40番段染めレース糸





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オーガンジーの中にタッチングレースを入れたポーチ
大きさ 13cm×18cm
使用糸 40番レース糸




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タッチングレースを編んでいる所





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麻布にテネリフレースを縁取ったランチョンマット
大きさ 30cm×45cm
使用糸 シルクの合細タイプ
右 その拡大画像





その他のレース作品_a0094187_2057229.jpg
アイリッシュレースの衿
大きさ 内側38cm  
     外側55cm
使用糸 40番レース糸





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バテンレースとオーガンジーで作った ポシェット
大きさ 入れ口巾 17cm 
     高さ 19cm
使用素材 巾1cmのバテンレース 
       オーガンジー







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その他のレース作品_a0094187_2223667.jpg

アンティークショップで購入したアイリッシュレースの衿

以上でレースのご紹介シリーズは終了です。
また何か新作が出来上がったら掲載したいと思います。
次回からは自作のニットなどをぼちぼちと載せようかと思っていますので、またよろしくお願いします。
# by amibito | 2007-02-28 21:22 | レース編み

ニードルポイントレースとシェットランドレース

いよいよ今回でレースのご紹介も最後です。最終回はニードルポイントレースとシェットランドレースをご紹介します。
ニードルポイントレースとシェットランドレース_a0094187_0203954.jpgニードルポイントレースはニードルポイントと混同されがちですが、ニードルポイントは刺繍の技法でニードルポイントレースとは違います。
ニードルポイントレースとは針レースの一種でかがる技法のレースですが、その起源は中世イタリアのベネチアに遡ります。元々はボタンホールステッチを中心とし たカットワークの技法を応用して作られた物です。ボビンレースはレースの王様と言われているのに対して、ニードルポイントレースはレースの女王様と呼ばれています。上の画像はアンティークレースです。
最初の頃はあらかじめ土台となる布の縦横の糸を数本残して大部分を引き抜き、ボタンホールステッチでかがりながら作られていましたが、現在では土台の布に芯となる糸をあらかじめ図案の輪郭に沿って渡してお き、その芯糸にボタンホールステッチを施し、さらにその中を様々な技法でステッチし最後に芯糸を土台からはずして作ります。中のステッチはバテンレースのステッチをさらに細かくしたような感じのものです。
ニードルポイントレースとシェットランドレース_a0094187_0183767.jpg右の画像はそのようにして私が作った作品です。ボタンホールステッチを緻密にしなくてはならないので、非常に時間がかかります。
18世紀のフランスで作られていた物をアランソン、19世紀に入ってベルギーに渡りそこで作られた物がポワンドガーズと言います。ボビンレースとは違って、草花などの具体的な柄が自由に表現できたことも、ニードルポイントレースの特徴のひとつです。
このような緻密な作業によって作られたのでひとつのレースを完成させるのには膨大な時間がかかりました。実際にレースを身に付けることが出来たのは、本当に限られた一部の人々いわゆる王侯貴族だけでした。

ニードルポイントレースとシェットランドレース_a0094187_0254974.jpg一方シェットランドレースですが、土地のやせた気候の厳しいシェットランド島では、農業に頼る事が出来ないため、17世紀頃には編物がシェットランド島の主要産業になり、その頃シェットランドレースも編み始められたといわれています。
シェットランド島の羊は厳しい寒さに耐えるため、非常に柔らかい毛を持っているので細く紡いだ糸で編むシェットランドレースにはとても適しています。
またベール、ストールなどは王室に献上されていました。
ショールはセンターといわれる中心の部分、エッジといわれる縁飾りの部分から出来ています。はじめにエッジを細長く編みそこから拾い目をしてセンターを編んでいきます。
ニードルポイントレースとシェットランドレース_a0094187_0264847.jpg2本の金属の棒針で編みますがニッティングベルトをウエストに着用し棒針の先端を固定して編みます。編み方は母から子へと伝えられたので編み図は全くありませんでした。
編みあがったショールは丁寧に洗い、木枠に糸で張り、形を整え乾かします。
しかしこの方法は非常に大きな木枠が必要となるため、今日ではカーペットにピンで留める方法を使用しているデザイナーもいます。
残念ながら私はシェットランドレースは編んだことが無いのですが、最近は嶋田俊之先生がフェアアイルと共にこのレースも紹介してくださっていて、本も出ていますのでそのうち是非編んでみたいと思います。嶋田先生の本はこちらで購入できます。
上の画像はこちらのサイトこちらのサイトからお借りしました。
# by amibito | 2007-02-16 00:33 | レース編み